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No Surprises (Radiohead) 和訳と解釈

目次

OK Computer OKNOTOKの歌詞カードf:id:ieltsvstoeic:20200913231343j:image

 

私の和訳

ちょっとこの歌詞カードでは物足りないので、私なりに和訳してみたいと思う

 

ゴミ捨て場のように胸がいっぱいなんだ

ゆっくりと命を削ってゆく仕事

決して癒えることのない傷

 

君はとても疲れていて、不幸そうに見えるね

政府をぶち壊そう

彼らは僕たちのために語ってはいない

 

僕は静かな人生を選ぶことに決めたよ

一酸化炭素を使ってね

そうしたら、もうアラームをかける必要も、

びっくりもしなくたっていい

もうアラームを聞かなくてもいいし、

驚きも無いんだ

 

アラームも驚きも無いんだ

ただ、静寂、静寂

 

これが僕の最後の気まぐれ

これが僕の最後の不平

だって、アラームも驚きも無いんだ

アラームも驚きも無いんだ

アラームも驚きも無いんだ

 

なんて素敵な家と庭なんだろう

アラームも驚きも無いんだ(※ *1僕をここから出して…)

アラームも驚きも無いんだ

アラームも驚きも無いんだ

 

以上。

私の解釈

この歌に歌われている人物は人生に疲れ切っている。

そして今まさに死のうとしている。

 

アラームは、強制の象徴、より限定的に言えば「朝のアラーム」を指していると思う。

アラームをかけて、行きたくない、命を少しずつ擦り減らす仕事(人によっては学校など)に向かう。

できればかけたくないし、聴きたくもないアラーム。鬱陶しい。

だから静寂を望む。

 

surprisesはこのアラームにかかっているのかもしれない。

アラームにびっくりしなくてもいいと。

しかし、私はこのsurprisesはもっと大きな意味で使われているのではないかと思う。

人に裏切られたときの驚き(Surprise)、人の嫌な面に気がついてしまったときの驚き、いや、他人だけじゃない自分の醜悪な面に気付いてしまったときの驚き…あげればキリはないが、人生ではこのような驚きとその後に訪れる失望で満ちている。

そんな思いが積み重なって溢れたゴミ箱みたいになっている心。

そうしてついてしまった決して癒えることのない傷…

 

だから、一酸化炭素と手を組むことにした。

 

そんな悲しい曲。

 

しかしこの曲を聴いている者は死ねていない。

優しい鉄琴の音と諦め切ったトムの歌声が聴く者を癒す。

死ぬのは怖い。だから今日も私はこの曲に癒される。そして理想に焦がれながらも、生を紡ぐ。

 

ーー補足ーー

最後の「なんて素敵な家と庭なんだろう」は、Britishお得意の皮肉(sarcasm)だと思う。

物質になんの興味も持てていない様子を表しているのでは。

このパートの直前には、どこまでも堕ちていくような間奏があるので、それが時間の流れを表しており、一酸化炭素中毒になって死にながら理想の幻覚を見ているのかとも思ったが、「ここから出してくれ」のコーラスで、この人はまだこの世界から消えることができていないんだと思った。

 

ーー脚注ーー

*1:※Let me out of hereがコーラスとして入っているが、歌詞カードには記載がない